卍(まんじ)(1964)

谷崎潤一郎の同名小説を新藤兼人が脚色、増村保造が監督した文芸もの。撮影もコンビの小林節雄。

監督:増村保造
出演:若尾文子、岸田今日子、船越英二、川津祐介、山茶花究

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卍(まんじ)(1964)のストーリー

秘かに奈良の奥山を散策する二人の女性。手をしっかりと握って、どちらともなく微笑みかけている美しい二人は、洋服のよく似合う魅惑的な徳光光子(若尾文子)。その眼は特に印象的だ。そして和服の似合うもう一人の女性は、弁護士柿内孝太郎の妻で、チャーミングな小悪魔を思わせる柿内園子(岸田今日子)だった。この二人は同性愛であった。先日も、園子の寝室で、その美事な裸体を披露した光子は、その美しさに興奮した園子と、激しく抱き合っていた。最初は恥かしがっていた光子も、だんだんその奇妙な魅力のとりこになっていた。すっかり光子の美しさに魅惑された園子は、光子に綿貫栄次郎(川津祐介)という情夫がいることを知って、光子に裏切られたと、涙にくれた。だが光子を食いものにする綿貫は、園子と光子の愛情のこまやかなのを心配して、光子への愛を二人で分け合おうともちかけ、光子、園子、綿貫の奇妙な三角関係が生れた。だが、この関係も長くは続かず、光子と綿貫の関係を清算させようと園子が画策するのを知った綿貫は光子を脅迫した。これに絶望した光子と園子は狂言自殺をしたが、朦朧とした園子の眼に映ったのは、自殺の知らせを聞いて、駈けつけた園子の夫孝太郎(船越英二)と、光子の情事であった。ここに、光子のとりことなった孝太郎と、光子、園子の新しい三角関係が成立した。ところがある日のこと、三人にとって致命的な事件が起きた。綿貫が写真に撮った誓約書を新聞にスッパ抜いたのだ。醜聞は、広まり、三人の前には、自殺でつぐなうより他に手はないように思えた。ある夜ベッドで睡眠薬を飲んだ三人は、静かに事を処理した。だが翌日、光子と孝太郎はすでに息絶え、園子だけが生き残っていた。

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