処刑の部屋 (1956)

“新潮”に掲載された石原慎太郎原作の映画化。性と暴力の中に人間の本能を求める現代男女学生の生態を描いた異色作。和田夏十が長谷部慶次と共同脚色し、市川崑が監督、中川芳夫が撮影を担当した。

監督:市川崑
出演:川口浩、若尾文子、岸輝子、中村伸郎、瀬戸ヱニ子、梅若正義、入江洋佑

処刑の部屋 (1956)のストーリー

U大四年に在学する島田克巳の父半弥は銀行の支店長代理をしていたが胃病で気難かしく、母親のはるは始終オドオドしている。克巳はそんな家庭が大嫌いだった。ある日、大学のブルジョワ仲間伊藤と、父の銀行からパーティ資金を借り出した克巳は大学に廻り、思想研究会に顔を出したとき、その場に居合わすフランス巻の女子学生を印象に留めた。ダンスパーティの当日、克巳は高校時代からの親友良治の知らせで、パーティ荒しに来たJ大生の竹島らと大格闘を演じた。六大学リーグ戦はU大が優勝したが、その夜ほろ酔い気分の克巳と伊藤は、とある店から出て来た二人連れの女子学生に眼をつけ、彼女らを伴って飲み歩いた。偶然にも、その一人は髪がフランス巻の女子学生で顕子という名だった。二人は克巳らが顔負けする程よく飲んだ。伊藤のすすめで睡眠薬を買いに行った克巳は行きつけのバー・シレーヌで会った良治を、彼女らの誘惑の企てに誘うが良治は就職期で頭が一杯だった。ビールに混ぜて巧みに薬を呑ませた二人は伊藤のアパートに昏睡した彼女らを連れ込み、克巳は顕子を選んで思いを遂げた。しかし克巳と顕子の交渉は長続きせず、克巳はある日、彼女の目の前で縁切りを宣言した。この頃、珍らしく良治達が開いたパーティで、克巳はJ大の竹島にアガリのかすめ方を教えてけしかけこれをきっかけに良治の元気を取り戻させようとしたが、良治は黙って金を渡してしまった。その金を取り戻しに竹島らの待つ銀座裏のバー・カリブに現われた克巳は先日の仕返しだと凄惨なりンチを受けた。彼はあくまで音を上げずに頑張っていたが、J大の従兄に連れられた顕子の姿を見た時、始めて恐怖の表情を浮べた。顕子は学生の一人からナイフを受け取り声にならぬ叫びと共に克巳にぶつかって行った。皆が逃げ出した後克巳は太腿の傷口を押えながら渾身の力をふりしぼってカリブの裏口から這い出していった。

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