爛 (1962)

妻の座を肉体で奪い合うただれるような女の闘い。徳田秋声原作から新藤兼人が脚色、増村保造が監督した文芸もの。撮影は小林節雄。

監督:増村保造
出演:若尾文子、田宮二郎、船越英二、水谷良重(二代目 水谷八重子)、丹阿弥谷津子、増村保造

爛 (1962)のストーリー

キャバレーのナンバーワンだった増子(若尾文子)が、浅井(田宮二郎)に妻がいると知ったのは同棲して暫くたってからだった。女給時代の友達雪子(丹阿弥谷津子)も近くの安アパートで歌手あがりの青柳(船越英二)と精気のない生活を続けていた。増子をとりまくそんなただれた暮しのしみが、増子にこびりついてくるような日々だった。そんな或る日、浅井の妻柳子(藤原礼子)が増子のアパートにどなりこんで来た。浅井は本妻の柳子にはつくづくいや気がさしていた。喘息の発作を交えながらヒイヒイ嫉妬に泣きわめく柳子との生活を清算しようとする浅井。そんな男のいい加減さも増子にはよく判った。とうとう浅井は弁護士を立てて柳子と離婚した。浅井と増子は前より良いアパートに移った。柳子は郷里の座敷牢で狂い死にした。寝ざめの悪い増子は柳子の寺詣りをした。その帰途、友達の芳子を訪ねた。元将軍の奥様におさまっている芳子は、子供を生んで老夫の死後も自分の地位を守るつもりだという。それを聞いた増子は、やっとつかんだ、自分の妻の座に不安を感じた。そんな時、増子の姪の栄子(二代目水谷八重子)が訪ねて来た。果樹園の息子との縁談を嫌って家を飛び出して来たのだ。栄子は浅井の許しを受けて増子と一緒に生活することになった。増子は子供を生める体に返して貰らう手術をうけるため、入院した。その留守中、浅井と栄子は関係を持った。これを知った増子は栄子をはげしくののしり追い出した。だがそれでも不安な増子は芳子と相談して栄子を結婚させることにした。結婚の前日栄子と浅井は山のホテルで秘密の時間をもった。しかしそれを知らない増子は栄子の花嫁姿を見て満足気だった。

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